車検の代車サービスとは

車検のために車を預ける際、ディーラーや整備工場によっては代車を貸し出すサービスがあります。これは、お客様の日常生活の移動手段を確保するためのサービスです。代車は基本的に店舗が用意している車種のみ貸し出し可能で、普通車の場合は軽自動車やコンパクトカーなどが用意されることもあります。

代車は無料で利用できるケースが多い

車検の代車サービスは、一般的に無料で利用できるケースが多いです。

ディーラーで車検を行う場合、基本的に代車を無料で借りられます。また、整備工場や車検専門店、ガソリンスタンドでも無料で代車を提供してくれるところが大半を占めています。

ただし最近では、代車を借りる側のマナーの悪化などを受けて、代車を有料化したり、そもそも代車を用意しないところも出てきています。チェーン店に至っては、店舗によって代車が無料か有料かで対応が分かれているケースもあり、一概に「無料」とはいえなくなってきました。

このように、店舗によって代車サービスの内容が異なるため、事前の予約や見積りを取る際に、代車の有無と費用を必ず確認しましょう。

利用可能期間

代車の利用可能期間は、ディーラーや整備工場によって異なります。一般的な目安としては、2週間～1ヶ月程度が一般的です。買い替えや修理が完了するまでの期間、代車を借りられる傾向にあります。

ただし、ほかのお客様との兼ね合いもあるため、1ヶ月を超える長期の貸し出しはNGを出される場合が多くなります。一方で、事情によっては2ヶ月程度の貸し出しを認めてくれる場合もあります。

つまり、利用可能期間は事前に明確な期限が設定されているわけではなく、状況に応じて柔軟に対応されています。ただし、できるだけ早く車検や修理を終え、代車を返却することが求められます。車検の所要日数をあらかじめ確認し、代車の利用期間を把握しておくことが大切です。

車種・グレード

代車は店舗側が用意するため、自由に車種やグレードを選ぶことはできません。ディーラーでは事前に予約がある場合、通常は預けた車と同じクラスの車が用意されますが、普通車の場合、店舗では維持費を抑えられる軽自動車やコンパクトカーが用意されるケースも多いです。一方で、輸入車専門の車検業者では輸入車が代車として用意される場合もあります。

店舗によっては、代車を持たずにレンタカー会社を紹介する場合があり、その際は希望を伝えれば車種を選べることもあります。ただし、空いている代車が複数台ある場合を除き、店舗側が用意した車を受け入れるのがマナーとされています。代車の車種・グレードについては、事前に確認しておくと良いでしょう。

車内環境（喫煙可否など）

最近では代車の車内は禁煙とされていることが多くなっています。喫煙可否は業者によって対応が異なりますが、事前に確認しないと、車内で喫煙してしまった場合にトラブルの原因となる可能性があります。

ディーラーなどでは、喫煙可能な代車と禁煙の代車を用意している場合もあります。

見積りの段階から、代車での喫煙可否も確認しておくと良いでしょう。特に喫煙者で車内での喫煙を希望する場合は、喫煙可能な代車があるかどうかを事前に確認することが大切です。

代車の状態確認

代車を借りることになった場合、車の状態はその場で確認しておくことが重要です。中にはすでに車体にキズがついている車を借りることもあり得るためです。

代車を借りた際は、まず目視で車体のキズの有無を確認しましょう。さらに、スマホのカメラなどで車の状態を全体的に撮影しておくと安心です。これは、代車を返却する際に「このキズは最初からあったのか」と指摘される可能性があるからです。

最初からキズがあった事実を証明できれば、修理代を請求されることはありません。また現場にスタッフがいれば、一緒にキズの状態を確認しておくと後々トラブルが発生しにくくなります。

代車を返却する際は、借りたときと比較して明らかに車が汚れているのであれば、洗車や簡単な車内の掃除をしておくことがマナーとなります。

ガソリン代

代車を返す際、借りたときと同程度のガソリンを補充して車検業者に返却するのがマナーです。一般的に代車のガソリン代は業者側の負担となりますが、ガソリンを補充せずに返却する人もいるため、「使った分だけ補充してください」といったルールを設けている業者もあります。

特に今後も整備や点検を依頼するような業者であれば、良い関係を築くためにも、マナーを守って適切に対応することが重要です。車検時のガソリン補充に関するマナーを守ることで、スムーズな代車の返却が可能となり、業者とのトラブルを防ぐこともできます。

トラブル発生時の対応

代車を利用中にトラブルが発生した場合、適切な対応が求められます。まずは代車が保険に加入しているかどうかを確認する必要があります。

保険加入の有無による対応

【保険に加入している場合】

事故を起こしても、通常の自動車保険と同様に保険が適用されます。ただし、補償内容は保険によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

【保険に加入していない場合】

事故を起こした際は、修理費用を自己負担しなければなりません。金額によっては高額になる可能性もあり、注意が必要です。

保険未加入の代車を借りる際は、万一の事態を想定し、トラブル発生時の対応について確認を怠らないようにしましょう。

マナー・エチケット

代車を借りる際は、適切なマナーを心がけましょう。

まず、洗車や車内の掃除は必須ではありませんが、できる範囲で清潔な状態で返却することが望ましいでしょう。車内にゴミを残す、飲み物をこぼしてシミを付けてしまうなどのマナー違反は避けましょう。

また、チャイルドシートが必要な場合は、自前で用意する必要があります。代車にはチャイルドシートが装備されていないことが一般的です。

最後に、借りた際と同程度のガソリン量に給油して返却するのがマナーです。例えば満タンで借りた場合は満タンで返却、半分の残量で借りた場合は半分で返却するよう心がけましょう。